試論

恥さらしによる自我拡散改善法を中心に

2021-01-01から1年間の記事一覧

文身

かねて聞いていた身体的変化が出始めたのを契機にもう、父親とは銭湯に行かないことにした。わたしはそのころから毎日、なにかを誤っているような気がしているし、大抵みんなそう。 諸尊 稲妻 切創 諸尊 浴場のタイルに足を踏み入れるとまず、右奥の薬湯に一…

余燼

niitoniitonii.hatenablog.com その人はいま炎上してだめになっていますねと、テーブルの向こうの芸術家が言った。そうに決まってます。私は初めて食べるシロノワールなのに食べ方がうますぎて自惚れていた。こんなことに喜んでいてはいけない。 右の記事を…

ガラスがいい。うつわなどはさらなり。込められたものが透明な液体だとなおのこと。水面の輪郭が表面張力によってさらに淡い色をしている。とても貴重な光輪。 パンツ一丁あたらしいおともだち。アイスティーを作っているぼくはみんなのやさしさに浮かれてい…

五分前仮説

じゃあスタンド上げてください。いや、上げたことないから知らないんですけどと思った。このような年齢になってはじめて知る原動機付自転車というものの定義と重み。道路交通法によると排気量50cc以下の一人乗りのくるま。 なんでも始めるのが遅い。加えてう…

¿fly?

音楽の人たちとともに演奏会をしたくても近頃毒の空気が怖くてなにもできないから、配信をすることになった。 創るシガさん、歌うメリさん、竪琴はマナさん、わたしは見ていただけだったのだけどこれがわたしの自己紹介になりそう。 夏は急ぐ虫の季節である…

ふよう

だれかも植物が好きだったなあと悔しかったやっと忘れられたと思ったのに。 「ひとりくらしするようになったらこういう花を置きたいな」 「ふようさんお花好きですか」 「はい植物好きの母のせいで家のなかが植物だらけなのです」 本名は蓮。れんとよむ。さ…

yes

Where are you. 南口のyes mart. 改札を出たら直角に曲がり、肯定的な名前のスーパーへとむかう。雨がちの日々の晴れ間には無邪気に確信が持てた。正しさなど天気程度で移ろう主観に過ぎないことがよくわかる。Y'sのアポストロフィがeの省略である可能性。 y…

海水の金魚

予め、無用な夢をみないようみないようにと清く心がけました。とても寂しかったのを耐え、生きました。おわりにしようかと思うくらい寂しかったのです。 誕生日を迎えたとたん春はおもむろに終わりはじめた。 自動車は、交差点の中心で意に反し停まる。慣性…

硬貨や指輪

白という色は相対だ。白に見えるが実際にはごく薄い青だったり黄だったりする。そういう意味での白いシャツに白いジャケット白いパンツ。姿見の前であんたにおめでとうと言う。あ、ミッドサマーみたい。東洋人なので全くミッドサマーにはならない。私もまた…

誠実

書く。 摘心|トニー|note 課題:指をすり抜けていったもの以外で工作をしなさい。制限時間:一生。代わりのもので簡単に諦められる体と心なら、最初からなにも欲しがったりしていない。 最期に寄り添ってくれるのは空想だけ。幸せに終わらないお話、いつも…

はじめまして

六歳児たちが三歳児たちの昼寝の時間に入っていって、寝かしつけをさせられた日があった。また六歳児たちはこれから小学生というものになるのだからと、簡単な算数や大人と話す折の礼節を教えこまれ、忙しかった。 子供である自分達より更にこどもである三歳…