書く。
課題:指をすり抜けていったもの以外で工作をしなさい。制限時間:一生。代わりのもので簡単に諦められる体と心なら、最初からなにも欲しがったりしていない。
最期に寄り添ってくれるのは空想だけ。幸せに終わらないお話、いつも。宇宙ではみんなの手を握ってあげたい。
傲慢だろうか。愚かではある。脆弱な頭脳で愛の空薫き。煙をあげているのはただ時間で、白い灰が折れて降り積もるのを光と見間違えて微笑んでいる。
自業自涜。幻。様々な美しい実体に触れては日々気づかされる。そうか、ぼくの炎は幻であったか。
あなたは光るよ。見える。きっと証明したい。でも、その力がない。
架空の人物に託す。存在させる。無から有を創り出すかのような錯覚だ。全能感だ。語りと構成に関する長い長い実験の途中で。今はわかるの、おとなになったと。こんなことは不健全なこどものする遊びだったよ。おとなになったね。
「おまえにはなにひとつ生みだせなかった」
あらゆる事物のまわりをまわる透明な秒針が一秒一秒目を刺し、そう諭す。人と人とが与えあい、救いあい、繋がりあっているこの地球で。
血の涙見られて気持ちいい朝の街。
闘いにだけはなりたくない。一生知らないだれかのことまで最後には許したい。からっぽのぼくに誠実さがひとつあるとしたら、そうです。