試論

恥さらしによる自我拡散改善法を中心に

2020-01-01から1年間の記事一覧

かたち

ひらいて、眼球が現れたかとおもうと、じゃり、じゃり「トニちゃんだ……」またとじ、二つの線にもどる。ツラちゃんが寝息を再開したとき、この部屋は水の質量に似て重く透明な朝だ、その隅ではドビちゃんが芋の薄切りを揚げた菓子をゆっくり噛みしめる、砂食…

贋具

でもね産みの痛みは出れば終わるものだから、そうでもないのよ、それより痛い病気はたくさんあるよ。わたしの母は客観的な視点を持っていて、現象を不用意に美化しない。だから私も、自分が尊くなり得る方向に素描の線を曲げたりなどしないようにものごとを…

射るな光れ

「チンポもいらない、ゲイとしての幸せなんていらないから、だから神様、アタシにたらふくメシを喰わせて、日の目を見させて!」というマツコ・デラックスの叫びが天に届き、成就したのが今わたしたちが生きている世界線である。この世を照らす宿命を背負い…

あんにんどう腐

一週間で死ぬの嘘なんですって。そうなんだ、どうりでおかしいと思ってたんだよね。人間が勝手に決めてるんですってなのかで終わりって。

ケチャップさなえドリルってマジでなに?

夜になると蒸し暑さが増して感じますね。 流し台の上にワンデイアキュビューの抜け殻が二匹分転がっている。きょうはうれしい気持ちだけ書こうと思ったのに。こいつらのせいだ。

三年か、何年かぶりに頭のほうがだめになった。なにもかもが怖くなって脳はぐるぐる渦まき、勝手にいろんなファイルを展開しはじめる。吐き気がするぞ。飯を食えんのだ。それは特に困る。少し焦る。半年かけて5キロ増やした体重がもとにもどってしまった。せ…

書いて

親しい友達? それ以外の友達は親しくない友達なのかしら。それともすべての友達を親しい友達に認定してるのかしら。あなたは親しい友達だからね、そういう本来段階的な観念がみどり色の円でふちどられたアイコンだけでデジタルに伝達されるのは恐ろしい。 …

肉の素描

晴れすぎたのである。芝生の波が蒼く目に沁みるほどだった。若者たちはそのうえで球を投げたり棒をふりまわしたり走ったりさせられているが、その理由はだれにもわからない。これは入院に似ている。入院したことないけど。ここにいる人たちは勉強ができなく…

偽善永、偽善美、

春、一年五組の教室。窓際の席ですべての休み時間を袖に顔をうずめたまま過ごしていた。自分のことが嫌いだったし、みんなも私のことが嫌いだった。だれとも友達になれそうもなかったし、だれともならなくてよかった。

創互的に

少し悩んだ結果、メリさんは小さな目玉をいくつか、ぼくは青い毛皮をお金と交換して、動物の部品屋さんをあとにしました。もう片方の手には、タピオカの入った飲み物でも持っていきましょう。