試論

恥さらしによる自我拡散改善法を中心に

ガラスがいい。うつわなどはさらなり。込められたものが透明な液体だとなおのこと。水面の輪郭が表面張力によってさらに淡い色をしている。とても貴重な光輪。 パンツ一丁あたらしいおともだち。アイスティーを作っているぼくはみんなのやさしさに浮かれてい…

五分前仮説

じゃあスタンド上げてください。いや、上げたことないから知らないんですけどと思った。このような年齢になってはじめて知る原動機付自転車というものの定義と重み。道路交通法によると排気量50cc以下の一人乗りのくるま。 なんでも始めるのが遅い。加えてう…

ふよう

だれかも植物が好きだったなあと悔しかったやっと忘れられたと思ったのに。 「ひとりくらしするようになったらこういう花を置きたいな」 「ふようさんお花好きですか」 「はい植物好きの母のせいで家のなかが植物だらけなのです」 本名は蓮。れんとよむ。さ…

三年か、何年かぶりに頭のほうがだめになった。なにもかもが怖くなって脳はぐるぐる渦まき、勝手にいろんなファイルを展開しはじめる。吐き気がするぞ。飯を食えんのだ。それは特に困る。少し焦る。半年かけて5キロ増やした体重がもとにもどってしまった。せ…

肉の素描

晴れすぎたのである。芝生の波が蒼く目に沁みるほどだった。若者たちはそのうえで球を投げたり棒をふりまわしたり走ったりさせられているが、その理由はだれにもわからない。これは入院に似ている。入院したことないけど。ここにいる人たちは勉強ができなく…

偽善永、偽善美、

春、一年五組の教室。窓際の席ですべての休み時間を袖に顔をうずめたまま過ごしていた。自分のことが嫌いだったし、みんなも私のことが嫌いだった。だれとも友達になれそうもなかったし、だれともならなくてよかった。

創互的に

少し悩んだ結果、メリさんは小さな目玉をいくつか、ぼくは青い毛皮をお金と交換して、動物の部品屋さんをあとにしました。もう片方の手には、タピオカの入った飲み物でも持っていきましょう。

運命

どこかで読んだか聞いた話なんですが、小さい子の精神の発達で、バスの降車を知らせるボタンあるじゃないですか、あれを押したくなるという心理が芽生える時期があるそうです。要するに自分の影響力を感じたい。たぶん人間やそれに似た動物しか持っていない…